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2022.10.13

~食を通して成長期の生徒たちの健康を支える責務、 そしてお客様からの期待に応えるために、私たちができること~

コンパスグループ・ジャパンは、企業、学校、病院や高齢者施設など、さまざまな拠点でフードサービスを展開しています。横浜市戸塚区の公文国際学園中等部・高等部もそのひとつ。校内の食堂ではランチを、そして寮で生活する生徒には、朝食と夕食を提供しています。今回は、代表取締役社長の石田が公文国際学園を訪問し、同学園の梶原校長先生と寮長の山﨑氏とともに「食育とサステナビリティ」をテーマに語り合いました。

寮生の健康管理を担う責務と生徒との信頼関係

梶原校長:本校は、長年にわたってコンパスグループさんに、生徒の食生活のサポートをお願いしています。とくに寮生は1日3食を校内で食べているので、本当にお世話になり感謝しています。寮生にとって、毎日のごはんをつくってくれる食堂の方は、親代わりといっても過言ではありません。本校には高3生徒が参加する鎌倉散策という行事があるのですが、そのとき私の近くにいた寮生が「食堂の方にお土産を買っていこう」と話していました。それだけ家族に近いような存在であるということですよね。

山﨑氏:食堂の方々は、寮生一人ひとりの顔と名前を把握し、朝・夕、声をかけてくださいます。アレルギーや、病気のときの食事などにも細かく対応していただいて。
中1から高3まで6年間、寮で生活する生徒にとっては、寮の食事はまさにおふくろの味なんですね。卒業した生徒からも「寮のごはんはすごく美味しかった」という話をよく耳にします。寮長の私もとても嬉しく思っています。

石田:ありがとうございます。食堂のスタッフも本当に喜ぶと思います。
寮では大切な生徒さんたちの「食育」を担っているわけですから、御校のご要望にどこまで寄り添うことができるのか、私たちも食堂の店長を中心に、今後も真摯な気持ちで取り組んでまいりたいと思っています。

山﨑氏:アンケートなども参考に、寮生が飽きないように工夫をしていただいていると思います。これからも意見交換しながら、より良い「食育」について考えていきたいですね。

公文国際学園が考える、理想的な食の場とは?

石田:ランチについてはいかがでしょう?私ども給食事業者に対して期待することがありましたら、ぜひお聞かせください。

梶原校長:今すぐに、ということではなく、あくまでも理想的な内容でもよろしいですか?

石田:もちろんです。

梶原校長:本校は、自分の頭で考え、判断をし、自ら行動できる人を育成することを教育目標のひとつに掲げています。ですから食事に関しても、自分の頭で考え、判断をし、選択して欲しいと考えています。
とはいえ、実際には、メニューを選ぶといっても生徒たちが頭を使っているのではなくて、今日は面倒だからラーメンにしようとか、今日はカレーでいいや、という感じですよね。

では、自主的に頭を働かせる、選択させるというのはどういうことかというと、例えばご飯も好みに合わせて量が選べたり、白米だけではなく五穀米などもあったり、さらには選ぶ際に参考になる情報として、栄養素やカロリーも表示されていると良いですよね。そういった選択肢をもとに、生徒たちが、自ら栄養バランスや体調を考えながら食事を選択する、ということだと思うんです。

ただ、学校では常に頭を使って勉強しているわけですから、食事の時くらいは頭を使うところから解放してあげた方が良いのかな、とも思います。難しいですね(苦笑)。

石田:なるほど。確かに選択肢と情報は大事ですね。

梶原校長:フードロスの低減、食べ物を残さないという点からも、ご飯の量は選べると良いかもしれません。

また本校は学校名に「国際」という名称がついていることもあり、設立時からとてもグローバルな環境が根付いています。コンパスグループさんもそこを考慮してくださっていて、国際色豊かなメニューが登場することもあります。先日ガパオライスが出たときも、生徒たちがとても喜んでいました。その際も、どこの国のどんなメニューなのかといった情報がセットになっていれば、生徒たちはもっと興味を持つと思うのです。

石田:貴重なご意見をありがとうございます。ぜひ実現できるよう、取り組んでまいります。

実は国際色といった点では、弊社のグループはイギリスに籍を置き、現在44カ国で事業を展開しているため、得意分野でもあります。ぜひ本部のメニュー開発チームとも力を合わせてご提案いたします。
一方で、無形文化遺産にもなっている和食にも、より力を入れていきたいと思っています。御校の生徒さんや卒業生が世界に羽ばたいていく際に、中高時代に学校で食べた和食の美味しさを軸に、和食の魅力を世界に広げていただけるよう、お届けしてまいります。

身近な「食」からサステナビリティを考える

石田:先ほど校長先生から、食べ物を残さない、といった話が出ましたが、食に関するサステナビリティについては、御校ではどのようにお考えでしょうか?

梶原校長:本校は私学ということもあり、どちらかというと、裕福な家庭で育った生徒が多いのですが、自分が恵まれた環境にあることをあまり自覚していないんですね。望んだものが難なく手に入ることが当たり前になってしまうと、食事に関しても、一口食べて、美味しくなければ残してしまう、ということも少なからずあるんです。

近年は授業でもサステナビリティやSDGsについて取り上げる機会が多くなりましたから、「食」ともからめつつ、きちんと教育していかなくては、と考えています。
その際に大切なのが、先ほど食事を選ぶという話でも申し上げた「自分の頭を使って考える」ことだと思うのです。

本校は行事がとても盛んなのですが、行事の企画や運営は、教員が口出しすることなく生徒達にほぼ任せています。もちろんうまくいかないことの方が多いのですが、だからこそ失敗したときに、初めて自分の頭を使って、問題意識を持って考え始められるんですね。
また、各自が自分のやりたいテーマを考え、1年間研究して発表する「プロジェクトスタディーズ」という探求学習もあるのですが、そこで、ゴミをテーマにした生徒もいました。

石田:その生徒さんは、どのような探求をしたのですか?

梶原校長:1年間、校内の隅から隅まで巡って、ゴミを見つけては写真を撮って、どこどこにこんなゴミがあって、隠すように捨ててあった、とか、意識も無く捨ててあった、という研究をして、これで良いのか?という問いかけを含めた発表を行いました。これには感銘を受けました。まさにサステナビリティですね。

石田:素晴らしいですね。

梶原校長:こうした意識がもっともっと生徒たちのなかで広がっていけばよいな、と。

石田:ゴミ問題をはじめ、脱プラスチック、リサイクルという意識付けはとても重要ですよね。最近はストローもコンポストという物や紙になったりしています。食事業者は、使い捨て容器を含め、ゴミやプラスチックとは切り離せない間柄ですから、食事業者こそがサステナビリティにつながる情報をお渡しすることが大切だと考えています。

デジタル化は、フードロスの低減にも役立つ

梶原校長:フードロスの低減をすすめるといった点では、他にどのような方法が考えられるでしょうか?

石田:人気メニューは売り切れて、あまり人気がないものは余ってしまうことは、どの施設でもあります。そこで、弊社はすでに予約システムの導入をすすめており、ご利用いただいている社員食堂や寮もございます。予約はスマートフォンアプリで簡単にできますので、御校に合わせた予約システムも今後ご提案したいと思っています。

山﨑氏:寮の場合、たとえば病気などの理由で部屋から出られず食堂に行かれない期間は、献立表から生徒に食べたいものを選んでもらい届けています。これも予約といえば予約なんですが、システム化されていないので、食堂の方にも大変お手間をかけています。システム化できれば便利になりますね。

梶原校長:ランチも予約システムが稼働すると良いかもしれませんね。

石田:そうですね。御校のランチは、現在およそ600食をご提供していますが、予約に基づいて事前に用意できれば、売り切れで食べられなかったということもなくなりますし、余りも出ません。フードロスの低減にもつながります。

梶原校長:ITの有効活用は、便利さはもちろん、情報発信や共有にもプラスになりそうですね。たとえば学校のホームページにも、食堂の情報をプラスするのも良いかもしれない。

親子で情報を共有できれば「食」の話題も広がる

石田:ホームページで情報発信することで、親御さんとも、食堂や食事の情報を共有することができますね。

梶原校長:そうなんです。学校現場、特に中高生は後ろに保護者の方々がいるわけです。保護者は子どもの健康を第一考えていますから、子どもたちが食堂でどんな食事を摂っているかが分かると良いですよね。ホームページじゃなくても、アプリで情報提供するやり方もありますね。
情報共有することで、親と子が食について話をする機会が増えれば、それも食育のひとつだと思います。

石田:弊社では、「ひとさらの先にある世界を見つめよう」という約束を従業員皆で共有しています。美味しいお食事でおなかいっぱいに、だけでなく、プラスαの付加価値を提供したい。おっしゃる通り、食や情報を通して親子の会話が増えることも付加価値のひとつですね。

梶原校長:食堂の方々は、本当に栄養やバランスなども考慮して食事をつくってくださっていると思います。そうした現場の方々の想いも生徒たちや保護者の方々と共有できると良いな、と。

山﨑氏:情報という点では、デジタルだけでなく、実はアナログも使えるのではないか、と思うんです。
デジタルなら、校内や寮にあるデジタルネイサージ(電子看板)を用いるのもいいかな、と思います。アナログでは、たとえばメニューの横に、手書きの一言コメントを添えるのはどうでしょう?今日のメニューにはこんな栄養があるとか、メニュー名の由来とか、生徒の目を引いて興味を持たせるようなコメントなどがあるとおもしろいと思うんです。

授業でもさまざまな形で食に関するテーマに取り組んでいますので、気づいたら生徒たちのなかに食の知識が蓄積されていると良いですね。
学校で学んだことや日々の関心事を、実際の生活に繋げていかれるような場を一緒につくっていくことが出来たら良いなあと思っていて、食堂の店長さんとも話しているところなんです。何より「食」は、毎日摂るものだけに、とても身近な存在ですから。

石田:共に対話を重ねながら、ぜひ本日いただいた数々の課題を実現させていけたらと思っています。貴重なご意見、アイディアの数々、本当に参考になりました。
今後とも、ご指導と、ご鞭撻のほどをどうぞよろしくお願いいたします。

 

左から コンパスグループ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 石田 隆嗣、公文国際学園中等部・高等部 校長 梶原 晃、寮長 山﨑 恭之さま

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